生き延びるための精神病理学

精神病理学を主体に綴る人文学系のブログです

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ご挨拶

はじめまして.亀吾郎法律事務所はてなブログ支部にお越し下さりありがとうございます.投稿はWordpressを主としていますが、より多く見ていただくため、はてなブログにもアカウントを設けました.はてなブログの方は、主にWordpress記事の転載になります.…

自分で問題を提起するシリーズ:急

officegoro.com このシリーズでは始めに、古代の人々はそれぞれの生活圏で異なる時間の見方をしているとの指摘を確認し、それぞれ時間を有限の線分、無限の円環、始点があって終点のない無限直線、始点はなく終点のみの無限直線に大別されるとした.人は過去…

近年の異世界系小説に見る超越と脱出:5

officegoro.com 脱出と超越について話をしてきた.日本の伝説、異世界系小説、解離.それらの脱出願望を見出し、文献を引用しつつ私なりに概説を試みた.最後にもう一つ脱出方法を取り上げ、試論を終えようと思う. 思いつく方法は自ら命を絶つこと、自殺を…

近年の異世界系小説に見る超越と脱出:4

officegoro.com これまでにわたって、私は日本では古来よりムラ社会構造が個人の脱出願望に関係しているという考察を引用し、近年盛り上がりをみせる異世界系小説(なろう系とも)の構造を検討した.日本のファンタジーゲーム人気により浸透したであろう共通…

近年の異世界系小説に見る超越と脱出:3

officegoro.com 散々話を引っ張ってきたが、私の答えはやはり「異世界」である.そして「小説家になろう」系でブームとなっているのは「異世界」を下敷きにしたファンタジー、いわば剣と魔法の世界だ.作品によりあらすじは異なるが、典型はこうである.主人…

近年の異世界系小説に見る超越と脱出:2

officegoro.com なぜ、浦島太郎と盧生はそれぞれ異世界に転移したのか.また、なぜ二人の物語が現在まで残っているのか.他界への憧憬はあったにせよ、二人はきっと他界で幸福や快楽を得ようとしたわけではない.一度も行ったことがないはずなのだから. 私…

近年の異世界系小説に見る超越と脱出:1

この記事はWordpressの転載です. officegoro.com 「今」自分が置かれている状況がとても辛い、現状に満足していない、なんとかして抜け出したい.そんなとき私達はどうするだろうか.休暇を取る?仕事をしている人なら職場になんて言おうか.「言いづらくて…

亀吾郎法律事務所が目指すところ What our office aims for

officegoro.com About a month has passed since we founded Kamegoro law office.Posting articles continuously makes us realise that we could gradually see things we aimed for. Now we would like to reconsider our weblog statement. Our mottos a…

自分で問題を提起するシリーズ:破

officegoro.com 前回、時間について自分なりに問題を提起した.時間が過去から未来へ直線的に進むモデルは説得的だが、果たして正しいのだろうか.ということを述べた.これは結構難しい問題であることは自身で自覚していて、問題提起した自分を少しながら後…

本を整頓するということ

officegoro.com “To arrange your books on the shelves properly is a difficult task. If you arrange them according to their contents you are sure to get an untidy shelf. If you arrange them according to their size and colour you get an attra…

自分で問題を提起するシリーズ:序

officegoro.com ようやく取り組んでいたG. W. F. Hegel(ヘーゲル)の歴史哲学講義を読み終えようとしている.人間の精神が自由に向かって進んでいく過程が世界の歴史である、という彼の考えはその後の歴史哲学を推し進めてゆく一つの偉大な動きだと思う.精…

ファッション誌から普遍的道徳律を考えることもある

少し投稿に間が空きました.梅雨が本格的で空気はジメジメしますね.菌糸にとってはうってつけの生育環境になりました.今回は私が最近読んだ本を紹介したいと思います.メンズファッション雑誌であるGQ JAPANを、私は「ほとんど自動車の記事だけ」読むよう…